涙嚢鼻腔吻合術について
あまり馴染みのない手術名だと思います。
その通り頻繁に行われる手術ではありません。
涙は瞼の目頭側の上下にある涙点から、涙小管、涙嚢、鼻涙管を通り、鼻腔へ流れ出ます。
鼻涙管に閉塞(詰まる)があると、流涙(涙が常に流れ出る)や炎症に伴う眼脂(目やに)がでます。ひどいときには涙嚢炎が起こります。このままでは白内障手術、緑内障手術、硝子体手術などを行えません。手術中に細菌が眼内へ侵入し、眼内炎を起こすからです。
治療は涙嚢と鼻腔の間にある骨を取り除き、直接涙が涙嚢から鼻腔へ流れるようにバイパスを作ることです。当院ではこの手術を鼻の中から行う鼻内法で行っています。鼻内に硬性鏡を挿入しモニターを見ながら手術します。顔面にキズはありません。
これが困難な症例では目頭側の皮膚を少し切開して鼻外法で行います。
手術までの流れ
①初診時、流涙があり涙道の閉塞が確認されると涙道内視鏡検査の日が決められます。
採血もあります。
②涙道内視鏡により涙道の閉塞部位が鼻涙管にあることが確認されると手術日が決められます。手術前に内科、耳鼻科へ受診して頂きます。
③手術説明の日にご来院頂きます。
手術日
火曜日の午後に手術しております。通常、1泊入院して頂いております。
術後
術翌日、鼻出血がないことを確認して帰宅して頂きます。3日後(金曜日)に来院頂き、術中詰めた止血用の鼻内のガーゼを抜去します。鼻内法では顔面に傷はなく、外見上手術したことが分かりません。さらに1ヶ月半後に留置したチューブを抜去します。
費用について
K204 涙嚢鼻腔吻合術
23,490点 x 10 = 234,900円
23,490点 x 10 = 234,900円
したがって、1割負担の方 23,490円
2割負担の方 46,980円
3割負担の方 70,470円
これに、術中使用する薬剤費、入院費等が加算されます。