涙目を訴えている方で、どこに原因があるかを調べる目的で、直径約1mmの内視鏡を目頭の涙点から挿入します。

涙小管、涙嚢、鼻涙管、そして下鼻道の涙の出口まで内視鏡を進めてゆき、涙の通り道(涙道)のどの部位に詰まりがあるかを観察します。閉塞部位があれば、内視鏡下で破り、チューブを留置します。それができないときは、下記の涙嚢鼻腔吻合術を行います。

検査には事前の血液検査(感染症がないかどうか)と予約が必要です。入院等は必要なく、約20から40分の検査・手術です。その日のうちに帰宅できます。

あまり馴染みのない手術名だと思います。
また、頻繁に行われる手術ではありません。

涙はまぶたの目頭側の上下にある涙点から、涙小管、涙嚢、鼻涙管を通り、鼻腔へ流れ出ます

鼻涙管に閉塞(詰まる)があると、流涙(涙が常に流れ出る)や炎症に伴う眼脂(目やに)がでます。ひどいときには涙嚢炎が起こります。このままでは白内障手術、緑内障手術、硝子体手術などを行うことができません。手術中に細菌が眼内に侵入し、眼内炎を起こすからです。

治療は涙嚢と鼻腔の間にある骨を取り除き、直接涙が涙嚢から鼻腔へ流れ出るようにバイパスを作ることです。当院ではこの手術を鼻の中から行う鼻内法で行っています。鼻内に硬性鏡を挿入し、モニターを見ながら手術します。顔面にキズはありません。

これが困難な症例では目頭側の皮膚を少し切開して鼻外法で手術を行います。

  1. 初診時、流涙があり涙道の閉塞が確認されると涙道内視鏡検査の日が決められます。
    採血もあります。
  2. 涙道内視鏡により涙道の閉塞部位が鼻涙管にあることが確認されると手術日が決められます。手術前に内科、耳鼻科へ受診して頂きます。
  3. 手術説明の日にご来院頂きます。

火曜日の午後に手術をしております。
通常1泊入院をしていただいております。

術翌日、鼻出血がないことを確認して帰宅いただきます。3日後(金曜日)に来院いただき、術中詰めた止血用の鼻内のガーゼを抜去します。鼻内法では顔面に傷はなく、外見上手術したことが分かりません。さらに2か月後に留置したチューブを抜去します。

K204
涙嚢鼻腔吻合術
23,490点 × 10 = 234,900円

1割負担の方:23,490円
2割負担の方:46,980円
3割負担の方:70,470円

これに術中使用する薬剤費、入院費等が加算されます。

乳幼児で生まれて間もなく、涙目、目やに(眼脂)が出て、抗菌剤点眼をすると眼脂は収まりますが、やめるとすぐに再発するお子様がいます。それに対する開放術です。

日本では生後6か月ごろに行うことが多いようです。

一度診察の上、予約して実施します。術後すぐに帰宅できます。