ボトックスとは、ボツリヌス菌が作り出すA型ボツリヌス毒素という蛋白を有効成分とする薬です。抹消の神経筋接合部における神経筋伝達を阻害することにより、筋弛緩作用(筋肉の緊張を和らげる)を示します。
当院では眼瞼痙攣、片側顔面痙攣に対して施行しております。自費ではなく、保険制度内での治療となります。
眼瞼痙攣は、40~60歳代の中高齢者で多く、比較的女性に多く認められます。時々、両側の瞼の筋肉が不随意に反復出現する病態で、羞明感(まぶしい)、あるいは眼部の刺激感、違和感から始まり、重症化すると自力で瞼をあけられなくなります。病初期にはドライアイと間違えられることもあります。
片側顔面痙攣は、同様の筋の収縮が片側の顔面に生じる病態です。脳内で顔面神経に血管が接触することが原因となります。
ボトックス治療は、痙攣が生じている顔面の筋肉に対して、ボトックスを細い針で注射します。効果は通常3~4か月持続します。時間とともに効果が消失するため、再投与が必要です。