- 目の病気と治療・手術案内
- 抗VEGF薬による治療
- 加齢黄斑変性
はじめに
人の体には年とともにいろいろな障害が起こってきますが、加齢黄斑変性とは加齢により黄斑という網膜の中心の組織に障害が生じ、見ようとするところが見えにくくなり、物が歪んで見えたり、欠けて見えたりする病気です。
加齢黄斑変性とは
網膜はカメラのフィルムに相当し、物を見る網膜の中心が黄斑部と呼ばれ、網膜の中で最も視力が良い部分です。網膜の下には網膜色素上皮という一層の細胞があり、その下に脈絡膜という血管に富んだ組織があります。網膜が正常に働くためにはこれら網膜色素上皮やその下にある脈絡膜が正しく働く必要があります。年齢とともに網膜色素上皮の下に老廃物が溜まり、それが黄斑部を障害する病気が加齢黄斑変性です。


加齢黄斑変性の治療
(1)萎縮型の加齢黄斑変性
残念ながら萎縮型の加齢黄斑変性には現在のところ治療方法はありません。
(2)滲出型の加齢黄斑変性
1)VEGF阻害薬
脈絡膜新生血管の発生には血管内皮増殖因子(VEGF)が関係していると考えられており、VEGFの働きを阻害することにより脈絡膜新生血管を退縮させる治療法です。ルセンティス、アイリーアなどの薬があります。
2)光線力学的療法(photodynamic therapy:PDT)
ビスダイン®という光感受性物質を腕の静脈から注射し、続いて専用のレーザーを病変に照射して、新生血管を閉塞する治療方法です。
3)レーザー凝固
レーザー光線を新生血管のあるところに直接照射し新生血管を閉塞します。
加齢黄斑変性の予防
(1)禁煙、太陽光
加齢黄斑変性の発症リスケを高めるのは、加齢以外に喫煙や太陽光なども関係しています。禁煙が重要です。
(2)サプリメント
ビタミンC、E、βカロチン、亜鉛などを含んだサプリメントを飲むと加齢黄斑変性の発症が少なくなることが分かっています。
(3)食事
緑黄色野菜は加齢黄斑変性の発症を抑えると考えられています。